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労災事故における慰謝料・逸失利益を詳しく解説

2022/04/01

労災事故に遭った場合の注意点

最初に労災事故に遭った場合の注意点についてご説明致します。
誤った判断をされている方が非常に多いことから、まず最初にお読み下さい。

労災事故に遭った場合、労災保険が適用されることは皆様もご存知だと思います。

しかしながら、労災事故に遭った方が受け取ることが出来るお金は、労災保険からの給付が全てではありません。

労災保険から支給されるのは、治療費と休業損害の一部(6割+特別支給金2割)のみで、慰謝料等は含まれていません

なお、後遺障害が認定された場合には、障害補償一時金等が支給されますが、これも後遺障害に関する賠償金の全てを補償するものではありません

したがって、労災事故に遭われた場合、労災保険から支給されたもの以外に慰謝料等を会社や会社が加入する保険会社等に請求する必要があります。

ところが、労災保険からの給付が全てであると誤解され、会社に対する請求を行わない方が非常に多い印象です。

また、会社の担当者も、労災事故の補償は、労災保険から全てなされると誤解していることが多く、労災保険の手続を行ったので、会社としてはやるべきことは全てしたといった対応をすることが少なくありません。

なお、労災事故がご自身の不注意によって発生した場合においても会社が全く責任を負わないことの方が少ないことから、労災事故に遭った場合には、必ず専門家に相談することをお勧めします。

労災事故における慰謝料・逸失利益について

慰謝料には二つの種類がある

慰謝料は、労災事故によって、肉体的な痛みや精神的な苦痛を負ったことに対して支払われるものです。
もっとも、慰謝料といっても、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の二つの種類があります。
そこで、まず、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の違いについて説明致します。

入通院慰謝料について

入通院慰謝料は、労災事故によって入院や通院を余儀なくされれたことに対して支払われる慰謝料です。

入通院慰謝料は、入院や通院を余儀なくされたことに対して支払われるものであることから、労災事故によって、入院や通院を余儀なくされた場合に請求することができます。

入通院慰謝料は、第三者の行為によって、入院や通院を余儀なくされたことに対して支払われるものであることから、労災事故以外の場合、例えば、交通事故などによる場合においても、怪我の程度や入通院の期間が同一であれば、入通院慰謝料の金額は同額となります。

入通院慰謝料の計算方法について

入通院慰謝料の計算方法は、交通事故の慰謝料の算定の際に用いられている赤い本に記載された表に基づき計算することが一般的です。

横軸が入院期間、縦軸が通院期間ですので、例えば、入院1カ月・通院6カ月の場合、別表1の基準だと149万円が入通院慰謝料の金額ということになります。
なお、別表1が骨折の他覚的な所見がある場合、別表2がむち打ち等の自覚症状のみによる場合の基準です。

【別表1】

  入院 1月 2 3 4 5 6 7 8
通院  53 101 145 184 217 244 266 284
1 28 77 122 162 199 228 252 274 291
2 52 98 139 177 210 236 260 281 297
3  73 115 154 188 218 244 267 287 302
4 90 130 165 196 226 251 273 292 306
5 105 141 173 204 233 257 278 296 310
6 116 149 181 211 239 262 282 300 314
7 124 157 188 217 244 266 286 304 316
8 132 164 194 222 248 270 290 306 318
9 139 170 199 226 252 274 292 308 320
10 145 175 203 230 256 276 294 310 322
11 150 179 207 234 258 278 296 312 324
12 154 183 211 236 260 280 298 314 326

 

 

【別表2】

   入院 1月 2 3 4 5 6 7 8
通院  35 66 92 116 135 152 165 176
1 19 52 83 106 128 145 160 171 182
2 36 69 97 118 138 153 166 177 186
3 53 83 109 128 146 159 172 181 190
4 67 95 119 136 152 165 176 185 192
5 79 105 127 142 158 169 180 187 193
6 89 113 133 148 162 173 182 188 194
7 97 119 139 152 166 175 183 189 195
8 103 125 143 156 168 176 184 190 196
9 109 129 147 158 169 177 185 191 197
10 113 133 149 159 170 178 186 192 198
11 117 135 150 160 171 179 187 193 199
12 119 136 151 161 172 180 188 194 200

 

後遺障害慰謝料について

労災保険から支払われる治療費は症状固定日(症状がそれ以上改善しない状態に達した時)までに制限されることが一般的です。
もちろん、症状固定後に、自己負担で通院すること自体は問題ありません。
なお、重度の後遺障害が残存した場合には、アフターケア制度によって、労災保険から治療費が支払われる場合があります。

労災事故の治療期間が症状固定時にまでに制限されることから、症状固定時において、痛みが残存していたり、腕が曲がらないなどの症状が残存しており、それ以上症状が改善しないことも少なくなくありません。

その場合には、症状固定日以降に発生する損害についても賠償を受けなければ十分な賠償を受けたとはいえないことから、残存した症状(後遺症)の程度に応じた賠償を受けることができます。

症状固定時において残存する症状が後遺障害に該当する場合に支払われる慰謝料が後遺障害慰謝料であり、後遺障害慰謝料の金額は、以下とおり、1級から14級に分類される後遺障害の程度に応じて計算することが一般的です。

第1級 第2級 第3級 第4級 第5級 第6級 第7級
2800万円 2370万円 1990万円 1670万円 1400万円 1180万円 1000万円
第8級 第9級 第10級 第11級 第12級 第13級 第14級
830万円 690万円 550万円 420万円 290万円 180万円 110万円

 

後遺障害が残存した場合どうすれば良い?

症状固定時に何らかの症状が残存している場合、その症状が、後遺障害に該当するのか否か、後遺障害の等級が何級に該当するのかは労働基準監督署が判断します。
症状固定時に何らかの症状が残存している場合には、医師にそのことを伝え、障害補償給付申請用の診断書を作成して貰って下さい。
障害補償給付申請用の診断書は、ここからもダウンロード出来ます。

障害補償給付申請用の診断書を医師から受け取った場合、診断書を労働基準監督署に提出し、後遺障害の等級判断を仰いで下さい。

労働基準監督署に診断書を提出した場合、診断の日が設定されますので、指定された日に指定された場所に行き、診察等を受けます

診察等が終われば、後日、後遺障害が何級であったかを知らせるハガキが届きます

労災_支給決定通知_ハガキ_画像
 

逸失利益について

逸失利益とは、後遺障害が残存しなければ得られたであろう利益のことを意味しています。

後遺障害が残存した場合、仕事等に支障を来し、将来にわたって収入が下がることが一般的です。
そのため、会社等に対して、損害賠償請求を行う場合、上記の慰謝料に加えて、逸失利益を請求することが一般的です。

逸失利益の計算方法は複雑であるため詳細な解説は差し控えますが、

基本的な計算方法は、

労災事故の前年度の年収×下記の表の後遺障害に応じた労働能力喪失率×症状固定時から67歳までの年数

で計算します。

具体例

例えば、症状固定時47歳で、労災事故の前年度が年収400万円の人が、8級の後遺障害を負った場合の逸失利益は

400万円×45%×14.87(20年のライプニッツ係数※)=2676万6000円となります。

※20年をそのままかけるのではなく、67歳までの年数に応じたライプニッツ係数というものをかけて計算します。

第1級 第2級 第3級 第4級 第5級 第6級 第7級
100% 100% 100% 92% 79% 67% 56%
第8級 第9級 第10級 第11級 第12級 第13級 第14級
45% 35% 27% 20% 14% 9% 5%

 

慰謝料と逸失利益についてのまとめ

労災事故で入通院を余儀なくされた場合には、会社等に入通院慰謝料を請求することが一般的です。

また、後遺障害が残存した場合には、入通院慰謝料に加えて、後遺障害慰謝料と逸失利益を請求することが一般的です。

具体例

先ほどの、症状固定時47歳で、労災事故の前年度が年収400万円の人が、8級の後遺障害を負った場合は、

830万円の後遺障害慰謝料と2676万6000円の逸失利益に加えて、入通院の期間に応じた入通院慰謝料を請求することになります。
 

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