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- 【症状別解説】労災が認定された具体的ケース
労災認定される基準
労災とは労働災害のことで、業務中や通勤中に労働者が負傷・疾病・障害・死亡することを指します。労災として認定されれば、各種補償給付を金銭として受け取ることができます。
労災が認められるには、負傷・疾病・障害・死亡と業務のかかわりを示すことが必要です。
労災には、業務災害と通勤災害の2種類があり、必ずしも就業中ではなく、始業前や終業後の通勤中も労災が認められるケースがあります。
| 業務災害 | 業務上の事由で労働者が負傷や死亡した |
|---|---|
| 通勤災害 | 通勤途中に労働者が負傷や死亡した |
また、次のような場合も労災が認められる可能性があります。
- 休憩中に社内で起きた事故
- 出張や社員旅行で起きた事故
- 歓送迎会や運動会などで起きた事故
症状別 労災が認定されるケース
ケガで労災が認定されうるケース
ケガで労災認定されうるケースには、次のようなものがあります。
- 仕事で工具の取り扱い中に切り傷を負った
- 工場内で鋭利な部品に触れて裂傷を負った
- 職場の階段から足を踏み外して骨折した
- 職場で足の上に重たい荷物を落として打撲した
- 建設現場で作業中に高所からの転落し後遺障害が残った
- 商品を配達中に事故に遭い骨折した
- 作業中に転倒して捻挫
- 厨房で料理中にやけどをした
腰痛で労災が認定されうるケース
腰痛は、業務によらない日常生活で発症する可能性も非常に高い症状です。そのため、労災として認められるには2つの認定基準のいずれかに該当していることが必要です。
認定基準1:災害性の原因による場合
普段から腰痛がない方は、以下の両方にあてはまる場合であれば、労災が認められる可能性があります。
- 明らかに、仕事中に急激な力が作用したことにより突発的に腰痛が生じた
- 医学的にもその作用によって腰痛が発症したと認められる
すでに腰痛の既往歴があり基礎疾患を持つ方は、以下の両方にあてはまる場合であれば、次の場合に労災が認められる可能性があります。
- 明らかに、仕事中に急激な力が作用したことによって腰痛が著しく悪化した
- 医学的にもその作用によって腰痛が悪化したと認められる
認定基準2:災害性の原因によらない場合
日々の業務で重い荷物を取り扱っているなど、少しずつ腰に負担が蓄積したことで腰痛が発症した方の場合、次の要件の両方にあてはまれば、労災が認められる可能性があります。
- 腰に負担がかかる業務に従事している
- 作業期間や状態を踏まえて、腰痛の原因が業務内容によるものだと言える
脳・心疾患で労災が認定されうるケース
脳・心疾患も、業務によらない日常生活で発症・悪化する可能性が非常に高い症状です。また、遺伝が原因となることもあるでしょう。
そのため、とくに仕事が過重であったために脳・心疾患が発症したり、悪化したりしたと判断される場合に限って労災が認められます。例えば、次のような場合は認められる可能性があります。
- 発症前に著しい疲労の蓄積をもたらす過重な業務に従事していた
- 業務中、発症直前までに原因や日時が特定できる異常なできごとに遭遇した
脳・心疾患による労災は、死亡に繋がるケースも少なくありません。そのため、過労死として、ご遺族から、ご相談いただくことも多いです。
過労死による労災は、直近1〜3か月の残業時間などによって認定基準が決まっています。そのため、会社へのタイムカード開示請求などが必要です。タイムカードに残っていない場合でも、深夜までメールや作業をしていた形跡があれば証拠になることがあります。
対象疾病
脳・心疾患の労災については、対象疾病が定められています。以下に当てはまる場合は申請可能です。
- 脳内出血
- くも膜下出血
- 脳梗塞
- 高血圧性脳症
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 心停止
- 重篤な心不全
- 大動脈解離
労災で亡くなってしまった方のご遺族が行う手続きについては、以下のページもご覧ください。
